【バー入門】ウイスキーのシングルやダブルの意味は?実はシングル=30mlではない!?

バーに行くと
「ダブルで」
と注文されているのを聞いた事はありますか?

「何それ?」
と思われる方もいれば、少し詳しい方だと
シングルが30mlダブルはその倍の60mlでしょ」
と答えられる方もおられると思います。

googleで検索してもそのような回答のサイトが多いのですが、実はこれ、正解とも言えますし、でも今の時代には間違っているとも言えます。

今日はそんな単位のお話し、シングルとダブルについて解説いたします。

もともとのシングルの分量は

シングルの分量は、もともとは冒頭の通り30mlとして使われていました。

これは、8oz(240ml)のタンブラーグラスに氷をいれて、だいたい指一本分の太さ(シングルフィンガー)であることからシングルと呼ばれるようになりました。

この単位は、ハイボールなどをつくる際も基本となり、8ozのグラスに氷とウイスキー30mlを入れ、ソーダで満たす形で提供されています。

ちなみにこれは日本でのシングルの分量で、海外では違うこともあります。
例えば、イングランドでは45ml、スコットランドでは60mlをシングルとされているようです。
イギリス人は指が太いのでしょうか(笑)

なお、これ以降は原則日本での話を前提としています。

もともとのダブルの分量は

ダブルの分量は、シングルの倍、60mlとして使われていました。

ダブルとして注文するのは、お酒をよく飲まれる方が、一杯がシングルでは少ないと感じられ何度もおかわりを注文するのも面倒なため、最初から2杯分、ダブルで注文をされます。

基本的に、とくにダブルと言われなければシングルで提供されるので、注文時にシングルをわざわざ指定する必要はありません。

時代と共に変化しつつあるシングルとダブルの意味

ここまで、シングルとダブルについて説明しましたが、あえて”もともと”と書きました。

実は、現在それぞれの量に変化があり、お店によってバラバラの状況となっています。

現在、
シングル=45ml
ダブル=60ml or 90ml
として提供しているお店が増えています。

●今もシングル=30ml、ダブル=60mlのお店も多い

シングルが30mlなのか、45mlなのか、提供しているお店がどちらかに大きく偏っていれば、主流はこっちですと言えるのですが、私が見ている限り、本当にお店によってまちまちで、今はどっちが一般的とも言い切れない状況にあります。

感覚的には、比較的リーズナブルなお店やカジュアルなお店、クラブやガールズバーなど女性の接客をメインとしたお店などは、今でもシングルを30mlとして提供しているところが多いようです。

オーセンティックであったり、落ち着いて飲むようなバーでは、シングルを45mlで出しているお店が多いかと思います。

ちなみに当店、お初天神 バー・ザ・メモリーでは、シングルを45ml、ダブルを60mlで提供しています。
ダブルなのに倍ではないんです・・・ややこしいですね・・・。

●なぜシングルとダブルの量が変わってしまったか。

なぜ、同じ単位で分量が変化してきたか、すこし歴史的背景があります。

バブル経済崩壊後、安くそして量を飲める居酒屋チェーンが支持され増えたことが原因にあります。
こういった居酒屋チェーンでは、大量に仕入れたり、お酒自体を比較的リーズナブルな銘柄にすることで、一杯あたりの価格を抑え、それでいて一杯の分量を増やしていきました。

この結果、こういった居酒屋で飲む事に慣れたお客様にとっては、それまでのバーで出されていた一杯のシングル30ml、ハイボールだと8oz(240ml)のグラスでは小さく感じてしまうようになりました。

そこで、バーも一杯の量を増やし、シングルを45mlで提供するお店が増えてきて、今に至っているというわけです。
シングルを45mlにすると、一般的なハイボールでは10oz(300ml)のグラスになり一回り大きくなります。

さらに価格重視のお店などは、10ozのグラスにシングルの量は以前のまま30mlで、いわゆる薄いハイボールを作るお店もでてきて、もはやなんでもありと言えます。。

なお、当店もそうですが、ダブルは以前のまま60mlとするのは、45mlの倍90mlとすると、さすがに多すぎて需要が逆に減るため、ダブルは60mlのままとしているお店が多くなっています。

シングルとダブルの料金は?

シングルを30ml、ダブルを60mlとした場合は、
ダブルの料金は、シングルの倍か若干それを下回るぐらいの値段で提供されます。

シングルを45ml、ダブルを60mlとしているお店は、
ダブルの料金を、シングルの1.4倍程度で提供されています。
(つまり量に比例させた値段か若干おまけをしている感じです)

前述の通り、同じ単位でもお店によって分量が違うため、今はお店ごとに比べて安いか高いか値段だけでは決められなくなっています。

例えば、一杯1,000円でシングル30mlとしているお店があれば、
同じ銘柄で、1杯1,300円、シングル45mlとして提供しているお店もあります。
値段だけでは後者が高くなりますが、量で考えると前者の方が高くなるわけです。

初めて行くお店でシングルがどのくらいか、なんてのは基本メニューにも書かないので、もはや出てくるまでわからないのです。

最後に

シングルとダブルの分量は○mlと△mlです、と一言で終わりそうな話と思いきや、歴史的背景の話になり、実は今現在非常にややこしくなっている事がわかっていただけましでしょうか。

個人的には、どっちでもいいから統一してほしいんですが(笑)

値段の話もありますが、シングルの量が違うということは、お店によって一杯のアルコール量も違うので、シングルが30mlのお店で10杯飲んで大丈夫だったからと、別の日に同じ調子でシングル45mlのお店で同じ杯数飲むと、たぶん帰り大変なことになるのでご注意ください(笑)

でも、バーというのは、そもそもお店ごとにそれぞれの考え方で自由に提供していて、それがまたバーの面白いところでもあるわけで、こういった違いも楽しみながら飲むのがきっと正解なのでしょう!

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