【初めてのバー】バーでの料金の相場はいくらぐらいか?

バーに行ってみたいけど、すごく高そうなイメージ
外から見ても価格がわからないし入りづらい

なんて話をよく聞きます。

バーの相場は、もちろんピンキリですし、同じお店でも何を飲むかによって変わってきます。

高級バーでもなく、安いカジュアルなバーでもなく、カウンター中心の小規模なバーでスタンダードなカクテルやウイスキーを飲んだ場合、ざっくりですが

1杯 1,000円ぐらい
3杯飲めば、3,000円ぐらい

というのが個人的感覚です。

とは言え、バーの料金には色々な要素が絡んでくるので、今回はバーの料金相場・会計についてもう少し深堀してみたいと思います。

この記事では、高級なバーや安さを売りにしているようなバーではなく、小規模で比較的落ち着いてお話ができるようなオーセンティックよりのお店を前提に解説しています。

また、このような前提であっても、料金については立地やお店の方針などに大きく左右されるため、この記事の内容通りでないこともあり得ますので、あくまで参考程度にお読みください。

会計金額の内訳

バーの会計時、支払金額を伝票などで提示されますがこの内訳は、主に

  • チャージ料金
  • ドリンク(フード)代

の二つに分けられます。
お会計時に提示されている金額は、チャージ料金と注文したドリンク・フード代を合わせた金額となっているわけです。

チャージ料金とは。相場は?

チャージ料金とは、注文したドリンクなどとは別に発生する料金で、もっともよくあるのは『テーブルチャージ』と呼ばれるものです。

テーブルチャージは席料金のことで、そのお店で注文してお酒を飲めば、ドリンク代とは別に自動的に会計時に付加されます。

チャージ料金の相場は、
一人、500円前後(300円から700円程度)で設定されているバーほとんどです。

一方で、テーブルチャージ料金を取らないノーチャージのお店もあります。

ノーチャージのお店は、チャージ料金を取らない代わりに、1杯当たりの値段が若干(100~300円程度)高く設定されているお店が多くなっています。

チャージ料金については、他にも
・カラオケを歌うためのチャージ(カラオケチャージ)や
・生演奏を聴くためのチャージ(ライブチャージ)
などが設定されているお店もありますが、お店によってかなり扱いに差があり一般的なバーではあまり無いので、今回は説明は割愛します。

チャージ料金については、過去にも詳しく書いた記事がありますので参考にしてください⇒【バー入門】バーのチャージとは?相場はいくらぐらい?

ドリンク(フード)代の相場

当たり前ですが、お店で自ら注文したものに対しては、それぞれ料金がかかります。

お酒にも安いものも高いものもあり、当店でもドリンクメニューの中で一番安いのは1杯600円からありますし、最も高いものは1杯19,400円となっています。

このように、お酒にもいろいろあるわけですが、
ジントニックなど一般的なカクテルの場合
チャージをとっているお店で
700円前後
ノーチャージのお店では、
900円前後
シェイカーを振るカクテルなどは、これにプラス100~200円程度、
フレッシュフルーツを使ったカクテルはチャージ有無関係なく、1,000円から1,500円程度で設定されているお店が多いかと思います。

つまり、チャージ600円のお店でジントニック700円として3杯飲むと
600円(チャージ料金)+2,100円(ドリンク代)で
会計時の金額は、2,700円となります。

参考までに当店、お初天神 バー・ザメモリーのメニューをアップしていますので、ご参考いただければと思います⇒メニュー
ちなみに、当店はテーブルチャージとして600円を設定させていただいています。

最後に

今回は、バーの相場について書かせていただきました。

外からは金額感がわからず入りにくい、勇気を出して入店してもメニューもなく料金がわからないため安心して飲めない、といった方もいらっしゃると思いますので、少しでも参考になれば幸いです。

メニューなどがなくても、注文する時に
「そのお酒はいくらぐらいですか?」
と、金額を聞くのは全く問題ありませんし、先に
「今日は3,000円ぐらいで3杯ほど飲もうと思ってるんですが・・・」といった具合に予算を伝えていただければ、バーテンダーはその範囲でおすすめしてもらえると思います。

ですので、是非、あまり構えずに気楽にバーに入ってみてください!

バーテンダーが慣れているなと思うお客さん7つの共通点【スマートな飲み方とは】

毎日バーカウンターに立たせて頂いていると、当然色んな方にお越しいただけます。

『初めてバーにこられた方』から
『何十年とライフワークのようにバーに通われている方』まで

当店は一見さんお断りでもありませんし、バーの使い方は人それぞれであるべきで、いずれの方であってももちろん大歓迎です。

そんな多くの方をお迎えしている中で、特に聞かなくても「この方、バーによく行き慣れているんだろうな」と思う方もいらっしゃいます。

今日は、小さなバーを経営しているバーテンダーから見て、バーにかなり慣れていると感じさせるお客様の特徴についてお話します。

メニューを見ない

長年バーで飲み続けていると、自分の中で飲みたいものはだいたい決まってくる方が多いようです。
なのでわざわざメニューは見ないで、バックバーに並んでいるボトルから自分が飲みたいと思うものを注文されます。

そしてだいたいその"飲みたいもの"は、珍しいお酒では無く、どこのバーにでもある一般的なものが多いです。

同じものを頼み続ける

ライフワークともいえるぐらいバーに通うと、もはやあのお酒試したい、このお酒試したいといった事もあまり無くなるのでしょう。

最初に頼んだものをひたすら注文されます。
その日もずっと、
次来られた時もずっと、
その次来られた時もずっと、
同じものを注文されます。

そしてある程度通っていただいた結果、こちらももはや注文すら聞かず、来店されて席に座られたら勝手に作って勝手に提供するようになります(笑)

飲むペースが一定

長年お酒を飲み続けている方は、自分のアルコールを飲める量とペース配分を感覚的に理解されています。

アルコールに強い弱いとは別に、自分に合ったペースで飲み続けて無理もしないからこそ長年お酒を飲み続けられているとも言えると思います。
(あえて、自らそのペースを崩して飲まれる方もいらっしゃいますが・・・)

普通の方は1杯目は比較的早く2杯目、3杯目と杯数が増えるたびにペースダウンしていきますが、ライフワークのように飲まれる方は、20分ぐらいで1杯、1時間で3杯飲んでお会計、という具合に飲むペースも、帰るタイミングもいつも決まってらっしゃる方が多いようです。

2杯目以降も「同じグラスでいいよ」

上記の通り、バーにさんざん通い慣れた方は、基本的に2杯目以降も同じものを頼まれるわけですが、その時に、今飲んでいたグラスを出して「このグラス使って」と言ってくださります。

同じものを飲むからグラスを変える必要もないし、
洗い物が減るようにお客様が気を使ってくださっての事ですが、
このレベルの気遣いになってくると、もはや同業者じゃないかとちょっと疑います(笑)
実際、同業同士の店に行くと、このセリフは結構言います。

お客様はそこまで気を使ってもらわなくて大丈夫ですんで!

意外とお酒には詳しくない

自分の好きなものをただいつも飲んでいるだけ、という感じでしょうか。

お酒の製法がどうだ、歴史がどうだ、アレはこんな味がして、といった事はあまり興味を持ってらっしゃらないか、
もしくは、実は詳しいけどそういった話は自分からしない感じで、
ただ、飲めればそれでいいようです(笑)

バーに長く通っている中で、ウンチク的なことは飽きるほど聞いてるのかもしれません。

あまり高いお酒は飲まない

まず前提として
高いお酒=美味しいお酒
では無いのです。

一部のセレブな方を除いて、通うぐらいバーに行くのなら安く済むに越したことはありません。
長年バーで飲まれている中でみなさん、比較的安くて自分にとって美味しいと思うお酒を見つけておられるようです。

支払いが現金

理由はわかりませんが、現金でお会計される方が多いように感じます。

お店がカード決済の手数料を負担することを気にして、現金にしてくださっているのかもしれません。

もしくは、

国を挙げてキャッシュレスが推奨されている中でも、小さなバーは現金しか扱っていないところが多くあり、自分が通ういくつかのバーによって、カードと現金を使い分けるのが面倒で確実な現金でお支払いいただいているのかもしれません。

手持ちの現金の範囲でしか飲まないというルールを作ってらっしゃるのかもしれません(笑)

最後に

今回は、バーテンダーとして接客させていただく中で、「この方バーにかなり行かれているんだろうな」と思う方の特徴をあげてみました。

勘違いしないでいただきたいのは、このような飲み方じゃないとダメ!とか、こういう方がエライ!と申し上げているわけではありません。
冒頭でも書いた通り、それぞれのバーの在り方に合わせて、好きに飲んでいただくのが正解ですんで。

ただ、何年・何十年とバーで飲まれている方というのは、ある程度行きつく場所があるんだろうなとも思い、書かせていただきました。

そんな方に愛されるバーでありたいと思いながら、私も日々奮闘させていただいております。

【初めてのバー】バーの入店から退店までの流れを解説!

初めてバーに入る時ってちょっと緊張しますよね。

なにか独特のマナーがあるんじゃないか
一見は入ってもよいのか
お酒知らないけど注文どうしたら良いのだろう

そもそも、ドアが重そうで中が見えなくて、入りづらい店が多すぎる!!

そんなバーに行ったことない、もしくは慣れてないというバー入門者の方向けに、今回はバーのスマートな入店から退店までの流れを解説いたします。

お店に入る

まずは入る店を決めましょう。

どのお店が正解か、それは人にもよりますし、外観の情報はあまり無いので、ある程度運が必要です。
少ない外観から直感を信じてで”えいや!”と決めてしまいましょう。
最近だとインターネットで調べてお店を選ばれる方も多くいらっしゃいますが、グーグルなどで上位に掲載されてくるのはバー全体のごく一部でしかないので、いまだに良いバーは足で探すしかないかもしれません。

自分にとって合う店かどうかは、当たるも八卦、当たらぬも八卦、それも含めて楽しんでやろう、ぐらいの気持ちでお店に入りましょう。

居心地が悪ければ、一杯だけ飲んでさっさと出てまた他のお店を探せばよいのです。
大丈夫、ハズレの店でも命までは取られませんから(笑)

お店を選ぶのに一点だけ注意があります、それはバーの中には、一見さん(ふらっと来られる新規のお客様)をお断りしているお店があるという事です。

理由としては、一見さんOKだとどんなお客さんが来られるか店としてもわからないため、他のお客さんが安心して飲んでいただけるよう、御贔屓さん・常連さんまたはその紹介のお客様のみOKとしているわけです。

そういったお店は、入り口のどこかに
【メンバーズ】【会員制】【紹介制】といった文言を貼ってるところがほとんどです。

一旦入り口付近を見回してこういった文言が無ければ、あとはドアを開けて入店しましょう!

席に座る

ドアを開けて店内に少し入ったら一旦立ち止まってバーテンダーやスタッフを目で探しましょう。

お店側も気づけば
「いらっしゃいませ」
と声をかけてくれると思います。

そのタイミングで、向こうから聞いてくるかもしれませんが
「2名ですけど大丈夫ですか?」
といった感じでこちらの人数を伝えましょう。

席が空いていればお店側から
「大丈夫です。どうぞ」
と、なにかしら返してもらえると思います。

「こちらの席にどうぞ」と席を指定されれば、言われた通り指定された場所に座りましょう。
特に指定されなければ、空いているところに座りましょう。

注意点としては、自分の荷物やアウターは出来るだけカウンター(テーブル)の上や、自分が座る隣の椅子の上などには置かないようにしましょう。

小さな席数の少ないバーでは、1席のやりくりが重要になってきます。
にも拘わらず荷物のために1席つぶれてしまうと、その後来られるお客様のやりくりが難しくなってくるお店の事情があります。

荷物や上着は、荷物置きや荷物用の棚があればそちらに。
もしくは自分の椅子の背もたれに引っ掛けたり、お店によってはそれぞれの席のカウンター下に荷物用のフックがあるのでそちらに掛けてもらうとよいと思います。

どうしても荷物の置き場所が無い場合は、お店の方に
「椅子に置いても良いですか」
と了解をとりましょう。

同じように席のやりくりといった理由で、テーブル席に座る場合、4名席と2名席があったとして、こちらが2名の場合は、特に指定されなかったとしても基本的には2名席に座るようにしましょう。

注文をする

いよいよ注文したいところですが、バーに慣れていない方にとって最大とも言える問題はメニューを置いていないバーが多いのです・・・。

そんな時は素直に自分今まで飲んだ中で好きなお酒を頼んでみましょう。
「ジントニックありますか」
みたいな感じで。
(さすがにジントニックはだいたいのお店であると思いますが)

メニューがあるお店であればその中から、好きなものを選びましょう。

数少ない知っているお酒を頼んでみたら無かった!
メニューをみても全然わからない!
といった時は素直に
「お酒詳しくないんですけど、アルコール度数は低くてオレンジジュース使ったカクテルとか出来ますか」
といった感じで、好みを伝えてみましょう。

メニューが無いとき、お酒がわからない時の注文についてはこちらの記事に詳しく書いています⇒【初めてのバー】メニューが無い時やお酒がわからない時の注文方法3パターン

●1杯目の注意点

注文時の注意点としては、特に二人以上で入店した際、1杯目はあまり作るのに面倒なカクテルなどはやめておきましょう。

理由は、1杯目は基本的に全員同時提供を行うのですが、カクテルのほとんどは、時間とともに氷が溶けたりぬるくなったり、炭酸が抜けたりしておいしくなくなっていく飲み物であるため、一人が時間のかかるカクテルを注文することで、別の人の分のカクテルが時間が経ち美味しくなくなってしまうためです。

バーテンダーは出来る限り味がおちないような工程を考えて複数のカクテルを同時に作りますが、それでも1杯ずつ作るようにはいかないものです。

どんなのが手間のかからないカクテルかわからない!といった時は、居酒屋チェーンのドリンクメニューを思い出してみてください。
モスコミュールとかカシオレとかレッドアイとか・・・
居酒屋さんで出しているカクテルは比較的どれも簡単に出せるカクテルと考えたらよいと思います。

●2杯目以降の注文

2杯目以降は、自分が飲み終わったタイミングで次を注文しましょう。
日本人的な気遣いで自分は飲み終わっても、お連れ様が飲み終わるまで待って一緒に2杯目も注文しようとされる方もいらっしゃいますが、上記の通り、カクテルは時間とともに美味しくなくなる、つまり複数同時に作るよりも一つ作ってすぐ出された方がおいしく飲めます。

お会計をする

さぁそろそろ出ようか、となれば"お会計"となります。

カウンター中心の小規模なバーでは、座っている席でそのまま会計を行います。
その場で、バーテンダーなどに
「お会計お願いします」
と伝えれば、合計金額を記載した伝票を渡されるのでその金額を支払いましょう。

会計に関しては別記事でも詳しく書いていますので良ければご参考ください⇒【バー入門】会計の言い方、スマートな仕方は?「あおいそ」は実は言わない方が良い?

お店を出る

会計が終われば、荷物を持って店を出ましょう。

注意点は、荷物を忘れない事!です。
当たり前のようですが、人はお酒が入ると結構忘れ物をしてしまいます。

傘は忘れがちな物の定番ですが、携帯電話や財布、冬なのにアウターを忘れたり、かばんを丸ごと忘れて手ぶらで帰ってしまう方もいらっしゃいます・・・・。

忘れ物の扱いはお店としても結構困るので、くれぐれも忘れ物の無いように、気持ちよく帰りましょう。

もしそのお店が気に入ったり良い接客をしてもらえたと思うなら、
バーテンダーの立場からすると
「ごちそうさま」
なんて一言いただけたら非常に有難いものなので、帰り際に一言声をかけてみてください。

最後に

今回は、初めてバーに行く方向けに、入店から注文、会計そして退店までを解説いたしました。
お酒の事を何も知らなくても問題ないですし、特別難しい事はなかったと思いますが、いかがでしょう。

細かいマナーとかは気にする必要はありませんし、自分のためだけの場所ではない事だけ意識して、あとは気楽にドアを開けてみましょう。

世の中色んなバーがあるので、合う合わないはあるかもしれませんが、そんな違いも楽しみながら、バー巡りを続けて自分にとって居心地の良いお店を見つけましょう!

バーや居酒屋で『しないほうが良い5つの話題』

バーや居酒屋などのお酒の席では、一緒に来たお連れ様だけでなく、時には他のお客様と話しが盛り上がったりすることがあります。
お酒も進んでくると、さらに相手のことを知りたいと思ったり、自分の思いを聞いてほしいといった気持ちも強くなってきます。

ですが、最後まで気持ちよく過ごすためには、避けた方が良い話題もあります。

今日のテーマはそんな【お酒の席でしない方が良い話題】です!

政治や宗教

お酒の席でしない方が良い話題、の定番ですね。
政治や宗教というのは、それぞれの出自や生きてきた背景、現在の環境によって考え方が違ってきます。

そしてその違いは、どちらが正しいとか間違っているとも言えません。
強いて言えば、皆それぞれ自分が正しいと思って、思想や信仰を持っているわけです。

政治や宗教の話題になるとどうしても、他の意見を否定するような話になりがちです。
そんな時、自分と違う意見や信仰を持っている人がその場にいた時、大きなトラブルになりかねません。

トラブルにならなくても、みんなが楽しい場、では無くなってしまうでしょう。

スポーツなどで特定のチームを応援

スポーツでどこを応援しているか、これも正解が無い話題です。
野球、サッカーなどの特に国内リーグの話題は気を付けましょう。
少なくとも、他者を悪く言うことは絶対に避けましょう。

宗教と同じで、それぞれ信じるものを応援しているわけです。

大阪だからと言って、全員が阪神タイガースファンとは限りません。
東京の飲食店であっても、お客様は全国各地から地元を愛しながらも上京してきたり、出張中の方もたくさんいるわけです。

そしてこの手の話は、一度火が付くと皆熱くなりやすく、異なる意見に対しては、喧嘩にすらなりやすい話題でもあります。

国内リーグではなく、ワールドカップやオリンピックなどの国際大会で日本を応援する話題はリスクは少ないと思いますが、それでもまわりに海外のチームを応援されている方がいないかといった配慮はしましょう。

年齢や住所など細かい個人情報

少し話が盛り上がり仲良くなりだすと、つい聞きたくなるのが「いくつ?」と年齢の話です。

年齢を聞かれても、なんとも思わない方ももちろんいらっしゃいますが、あまり聞かれたくない方も多くいらっしゃいます。

それ以外にも、細かい住所や勤めている会社、個人の特定につながるような個人情報を聞き出そうとするのはやめておきましょう。

年齢不詳でいいじゃないですか!
名前はあだ名しか知らなくてもよいじゃないですか!

マジメな商談やなにかの面接で来ているわけでは無く、堅い事は抜きにして、ただただ気楽に会話を楽しみたいのなら、あまり相手のことを詮索するのはやめておきましょう。

実名で人や会社の悪口

バーカウンターに立たせていただいているとよくわかるのですが、お酒が入った時に最も多い話題が、人や会社の悪口です。

普段色々とストレスを抱えて、お酒を飲んでいる時ぐらいそんな日々溜まった思いを吐き出したい気持ちはよくわかります。
度を越えなければ、それ自体は悪いことだとは思いません。

ただ、実名で人の名前や、自社・他社の社名をあげるのは控えましょう。

「壁に耳あり障子に目あり」なんて言葉があります。

ふと口にした名前や社名、実は他の席にいるお客様も、ご存じだったりお付き合いがあったり、もしかしたらその会社の関係者、なんてことも意外とあるんです。

直接関係なくても、人伝いに話題というのは伝わっていったりもします。
「そういや、この前行ったバーで他の客がお前の会社の話してたで~」みたいな感じで。
ホント世間は狭いのです。

他のお店を悪く言う

ある意味、お客様のお気遣い、そしてリップサービスというのもあるのだと思いますが、お客様がお店のことを褒めてくださったりします。
これ自体は、店の人間としては非常に有難いことです。

ただその時、引き合いに
「あそこの〇〇っていう店は良くなかった」
「このお店はちゃんとしてるけど、あのお店は全然出来ていない!」
といった具合に、他の店を店名を出して悪く言う事は避けましょう。

飲食店同士、特に近所同士というのは結構お付き合いがあったりします。
そして、外から見ると競合店で他店を悪く言っても大丈夫なようでも、実は意外とお店同士、仲が良かったりもします。
下手したら実は系列店なんてこともあります。

実際、私も大阪梅田のお初天神という場所でバーをさせていただいてますが、この周りもバーはたくさんありますが、競合というよりはこの近辺は老舗が多く私は比較的後発なのもあって、他のお店に対しては勉強させていただいている先輩であり、この地域を一緒に盛り上げている仲間という意識をもっています。

そんな先輩や仲間のお店を悪く言われた日には、非常に複雑な思いになりざるを得ません。
※実際に言われたわけではありません!

また、他の席にお客様がいらっしゃったら、その近辺でよく飲まれている場合はよくあり、話題に出たお店の常連かもしれません。
そこから、どんな伝わり方をしていくかもわかりません。

これもまた「壁に耳あり障子に目あり」なんです。

最後に

お酒を飲むと開放的になり、ついあれやこれやと話して気持ちよくなってしまいます。
これは、お酒の良いところだと思いますし、バーや居酒屋の存在意義でもあると思います。

ただ、そんな時、自分だけ気持ちよくなって、他の人たちの気分を害していないか、少しだけ心に残しておきましょう。
そうすれば自分だけでなく他の人たちにとっても楽しい場となると思います。
結果、それは自分にとっても楽しい場所であり続けるでしょう。

これが自分だけ楽しんだり、自分だけ言いたいことを言っている場、となってしまうと、いずれそこは自分にとっても楽しくない場に変化してしまいます。

お酒が入ると、ほんのちょっとした気持ちの持ち方で、天国にも地獄にもなります。

お酒の席がすべての人にとって天国のような場であることを心から願います。

「ジントニックでバーの違いがわかる」と言われる理由

お初天神 バー・ザ・メモリー:ジン・トニック

「ジントニックを頼めば、そのバーの事がわかる」
なんて言葉、聞いたことあるでしょうか。

はたまた、バーテンダー側からすると
「1杯目にジントニックを頼む人はお店を試している」
なんて言葉も。

この言葉のせいで、私は普通に飲みたくて1杯目にジントニック頼みたいのに、同業者として頼みづらくなりました(笑)
(自分が店側でお客様から一杯目に頼まれた時は、全く気にしませんが)

本当にジントニックでバーがわかるのでしょうか。

今回はそんなどこにでもあるジントニックから見えてくるポイントを説明したいと思います。

別記事にジントニックの材料や作り方があるので、先にそちらを見ていただいた方がわかりやすいと思います。⇒【カクテルレシピ】ジン・トニック(1分で読めます)

ジントニックはどこのバーでもある

実は最重要。
バーの違いを知るには、そえぞれのバーで同じものを頼まないと、違いが分かりにくいものです。
そういう意味では、カクテルの中でもジントニックは比較的どこのバーにも置いているカクテルと言え、注文がしやすいのが特徴です。

炭酸に対する考え方が見えてくる

【おいしいハイボールの作り方】の記事でも書きましたが、炭酸(トニックウォーター)の扱いは気を使う必要があります。
炭酸の扱いを見れば、いかに炭酸が抜けないように扱っているか、アルコールとの特性の違いを理解しているかが見えてきます。

【おいしいハイボールの作り方】では、出来るだけ炭酸にショックを与えないように扱うように書きましたが、あえてジンにドボドボと流し込み、ジンの香りをより引き立つように注ぐバーもあります。

  • 無駄に混ぜないなど、炭酸とアルコールの特性を理解して作っているか
  • ショックをあたえずに注ぐのか(炭酸が抜けないことを優先する)
  • あえてドボドボ注ぐのか(香り立ちを優先する)

炭酸の扱いだけでも、それぞれの考え方が見えてくるわけです。

ジン"トニック"はトニックだけとは限らない

ジントニックは、名前の通りジンをトニックウォーターで割ったシンプルなカクテルです。
が、トニックウォーターだけでなく、ソーダも使うことが良くあります。
トニックウォーターは甘味のある炭酸なので、甘味を少し抑えたい場合などは、トニックウォーターの量を減らし、ソーダを入れます。

  • トニックウォーターだけなのか
  • ソーダも使うのか
  • 使う場合は割合はどのくらいか

そんなところもバーによって変わってきます。
ちなみに、ソーダも入れる場合、ジントニックと区別するため【ジンソニック】なんて言い方をする事もあります。

果汁・ジュースで好みが見える

ジントニックは、ライムの果汁又は市販のジュースも入ります。
これも何をどう扱うかで風味が大きく変わってきます。

  • 生ライムの果汁を使うか
  • 市販されているライムジュースを使うか
  • 分量はどのくらい入れるか
  • ライム自体をカクテルの中に入れるか入れないか

市販されているライムジュースは甘味があり、生ライムを使うと香りが華やかになります。
ライム自体をカクテルの中にいれると、ライムの香りがより広がりますが、逆に香りが強すぎるという人もいると思います。

これもまた良い悪いではなく好み、バーそれぞれの考えの違いとなります。

ジンのハウスボトルは何を使うのか

ここまでの話だと、ジントニックでなくても、ウォッカトニックでもテキーラトニックでも良さそうに思います。

「ジントニックを頼めばバーがわかる」と言われる所以は、ハウスボトルとしてのジンの選択肢が多い事でしょう。

ハウスボトルとは、お客様からジンの銘柄指定が特に無い場合に、使う銘柄を指します。

どのバーにも、ジンのハウスボトル、ウォッカのハウスボトル、テキーラのハウスボトル、といった具体にそれぞれでハウスボトルを決めていますが、ジンは他のウォッカ、テキーラ、ラムを含めた4大スピリッツの中で、比較的種類が多くあります。

例えば、某大手全国チェーンの酒屋の販売サイトを見ると4大スピリッツの種類は以下となっていました。
ジン:34種
ウォッカ:25種
テキーラ:18種
ラム:20種

このように、ジンの取り扱いが一番多いことが多く、それだけハウスボトルの選択肢も広くなっており、考え方に違いが出てくる部分となるわけです。

●ハウスボトルの見方。良い・悪いは無い!

例えば

  • 価格が高く、ジンらしいボタニカルの風味が強い"T"
  • 価格がリーズナブルで、"T"ほど風味は無い、すっきりとした"G"

の2種類のジンがあるとします。

一見すると、ハウスボトルに
高い"T"を使っていたら「お、良いジン使ってるね!ここは良いバーだ!」
安い"G"を使っていたら「なんだ、ここは安もんのジン使ってるのか。」
と思ってしまうかもしれません。

しかし、高いTと安いGの特徴は言い換えると

  • 高いTは、ジンのクセが強く、苦手な人もいる
  • 安いGは、強いクセはなく、比較的万人受けしやすい

とも言えるわけです。

つまり、安いGを使っているバーは、
単に安いから使っているのかもしれませんが、
銘柄指定されずに使うハウスボトルだからこそ、万人受けしてかつリーズナブルに飲める銘柄をあえて選んでいる、とも考えられるのです。

はたして、ハウスボトルに最初から高いものを使うことが本当に良いのでしょうか。
高いボトルを使うという事は当然その分、1杯の料金も上がります。

今回は分かりやすく極端な2種類で説明しましたが、上記の通り、ジンは多くの種類があるので、この微妙な塩梅をどうとるか、バーにより色々見えてくるわけです。

ちなみに、一般的なバーでは、ハウスボトル以外にも、いくつかの種類のジンを置いてあり、指定さえあれば、お好みのジンでジントニックを作ってもらえると思います。

最後に

どこにでもあるシンプルなカクテル、ジントニックですが、意外と奥が深く、作り手の色々な考え方が見えてくることがわかっていただけたかと思います。

シンプルだからこそ違いがわかりやすく
シンプルでありながら、個々の材料を何にするか、材料をどう扱うかで大きく変わってくるカクテルというわけです。

どれが正しいか間違っているかではなく、それぞれの考え方を探りながら飲んでみると、ジントニックがよりおいしく感じると思います。

【バーのマスターによる】おいしいハイボールの作り方。たった2つのポイント。

こんにちは。
お初天神 バー・ザ・メモリー、マスターの銭谷です。

最近はハイボールを家で自分で作って飲まれる方も多いようで、お客様から、家でもハイボールを作るけど同じウイスキーの銘柄なのに、お店で飲むのと違う、といわれる事がよくあります。

お店ではお金をいただく以上、重箱の隅をつつくレベルであれこれこだわっていますが、基本的に気を付けるべきポイントはシンプルで、家でも十分に美味しく作る事が出来ます。

美味しいハイボール作りのポイントは2つ

  • 冷やせるものは出来るだけ先に冷やす
  • 出来る限り炭酸が抜けないようにする

このたった2つのポイントを意識するだけで、おいしいハイボールが作れます。

ということで、今回は家でも出来るおいしいハイボール作りを紹介いたします。

①グラスを冷やす

まずグラスに氷を入れます。
氷だけをいれた状態で、バースプーン(なければ、マドラーでもお箸でもOK)で、ぐるぐると氷をかき混ぜグラスを冷やします。

目安は、グラスがうっすら白く曇ってきたら大丈夫です。

この時点で、氷が溶けて水がグラスの底に溜まっているようなら、いったんこの水をしっかり切ります。

②ウイスキーを注ぐ

次に、ウイスキーを注ぎます。
分量はお好みですが、一般的にはウイスキーとソーダの割合は、1:2.5~3ぐらいが目安となります。

ウイスキーを注ぐ時のポイントは、氷の霜を取るように氷にあてながらウイスキーを注ぎます。
氷の霜は、このあとソーダを入れる際にソーダと触れることで炭酸の抜ける要因となるので、ウイスキーを氷にあてることで、その要因となる霜を出来るだけ取っておきます。

③ウイスキーを冷やす

グラスに氷とウイスキーが入った状態で、再度氷をぐるぐるとかき混ぜ、ウイスキーを冷やします。
回す回数は10回転ぐらいを目安にしてください。

④ソーダをゆっくり注ぐ

ソーダは事前に冷蔵庫で冷やしておいてください。

ソーダを注ぐ際は、バースプーン(なければ普通のスプーン)の腹の部分を使い、ソーダを少しずつスプーンの腹にあてながら注ぎます。

理由は2点

  • ソーダを注ぐ時のショックをやわらげ出来るだけ炭酸が抜けないようにする事
  • 氷(の霜)に炭酸をあてないように(抜けないように)する事

⑤最後は混ぜなくてよい

ソーダでグラスを満たせば、最後はバースプーンやマドラーなどでグラスの底まで突っ込み1,2回ゆっくり上げ下げして完成です。

アルコールは炭酸よりも比重が軽く、また炭酸の泡によって、特に混ぜなくても勝手に混ざります。
なので、あえて混ぜるような事をしても炭酸が抜けるだけで、あまり意味はありません。

最後に

当店でも実践しているハイボールの作り方をご紹介しました。

ハイボールの作り方は千差万別、色々な考えの元、色々な作り方があります。
ここで紹介したのは、その多くある作り方の中の、あくまで当店お初天神 バー・ザ・メモリーとしての考えの上でお作りしているレシピとなります。

ハイボールはシンプルなようで奥が深い飲み物です。
ウイスキーの銘柄をどうするか、ソーダは弱炭酸か強炭酸か、などでも大きくかわってきます。
この辺は好みに左右されるところなので、あえて今回は説明しませんでした。

お店によって、作り方の違いなどを見て、またその違いがなぜあるのか、飲むときにはどう影響するのか、そんなことを考えてバーで飲んだり、家であれこれ試しながら作ってみると、より一層ハイボールを楽しむことができます。

是非、自分にとってのおいしいハイボール作りにチャレンジしてみてください!

【バー入門】会計の言い方、スマートな仕方は?「おあいそ」は実は言わない方が良い?

ファミレス、喫茶店、比較的大きなバーでは、レジなどがあり会計するための場所でお金を支払いますが、小規模なカウンター中心のバーではレジなどが見えるところになく、会計時どうしたら良いか迷う方もいらっしゃると思います。

今回はバーでの会計時の頼み方、またスマートな会計方法についてのお話いたします。

バーでの会計時の言い方は

会計をしたいという意思がバーテンダーかスタッフに伝わればなんでも良いのですが、よくある言い方は下の3パターンです。

  • 「チェックして」
  • 「お会計して」
  • 「締めて」

あとは、バーテンダーと距離があるなどで大声を出すのが憚られるといった場合はバーテンダーと目があったタイミングでジェスチャーで

  • 両手の人差し指で交差して×(〆)を作る
  • 指で"〆"の字を空中で書く

といった方法もあります。

これにバーテンダーが気づけばすぐに会計の準備(計算)をし、会計伝票をお持ちします。
伝票に記載された金額を支払い、おつりがある場合は受けとって、お会計の終了となります。

「あおいそ」は実は使わない方が良い

上記と並んで会計時によく使われる言葉は「おあいそして」という言葉です。
これも、特に問題はありませんが、語源をたどった場合使わない方が良い、という事もあります。

●会計時の「おあいそ」の意味

「おあいそして」
は、もともとは、料亭などの店員同士が使う言葉でした。

使われ方としては
「お客さん、お帰りになるから"愛想(あいそ)"良くお見送りして」
という"お愛想"から、
帰る際の会計時の店内でのやりとりとして
会計をする=おあいそ
と使われるようになりました。

このようにあくまで店側の人間同士が使う言葉だったので、お客さんが自分で使ってしまうと
「私に愛想良くして(=愛想の悪い店!)」
といった意味になってしまいます。

とは言え、今現在一般的に使われる言葉となっていますし、店側も言われたからといってお客様がなにかクレームとして言っているわけでは無い事はわかっているので、特別気にすることはありません。

店側がどうこうという事はありませんが、一緒にその場にいた人などで「あおいそ」の意味を知っている人は知っているので、使わない方が良いとは思います。

バーで会計の時「お釣りは取っておいて」は必要?

たまに当店でも
「お釣りはチップとして取っておいて」
と言っていただく事があります。

オーセンティックなバーなどに行くと、むしろお釣りやチップを渡すのがマナーなの?と思われている方もいますが、日本では全く必要ありません。

我々バー側にとっては、お店に来て飲んで、その分の代金をいただければ、それが十分な対価なので、それ以上気を使っていただく必要は全くありません。

むしろ、お客様はそのつもりがなくても、変に"借り"が出来たように意識してしまったり、場合によってはトラブルの元になりかねない事から、お店の方針として受け取らないようにしているお店もあります。

会計は基本的にまとめて

小規模なバーでは、基本的に会計はその組をまとめて会計させていただく事となります。
喫茶店などで見る、一人一人自分の飲んだ分を言って払うのは、出来ないわけではないですが、会計の計算をしなおし一人一人に対応するため時間がかかるので、もともとスタッフが少ない小規模なバーでは、他のお客様の対応が出来なくなってしまうため、"スマートな会計"という意味では避けていただいた方が良いと思います。

●"自分の飲んだ分だけ払う"はやめた方が良い

会計後それぞれの代金を、お客様の中で振り分けられる事は全く問題ありませんが、バー(お酒の席)の飲み方・会計の考え方としては、「自分は1杯しか飲んでいないから1杯分で」というのはあまり綺麗な飲み方とは言えません。

これは、お店側は関係なく、お客様同士の関係性の問題ではあるのですが、
"バーの代金は時間に対して掛かっている"
"その時間をどう考えているかが最後の支払いに反映される"
と思っていただくのが良いと思います。

つまり、何人かで2時間飲んだのであれば、それぞれ何杯飲んでいようが、公平に2時間という時間を過ごし、その時間に対して代金を払っている、というわけです。

一緒に飲んでいる相手が
上下関係の無いフラットな関係であれば割り勘する(=同じ時間を公平に過ごした)のが良いでしょうし、
接待など、片方がその時間に対しての思いが強い場合は、全額(or多めに)支払う(=貴重な時間を割いてもらったお礼)となるわけです。

お酒は、あくまでそれぞれが共に過ごす時間を有意義にするための要素に過ぎず

  • バーで人と過ごす時間に対して自分はどういった思いでいるか
  • 相手には何を感じてもらいたいか

そんな気持ちを表す一つが、最後の会計と言え、この考え方が出来る方はスマートな飲み方が出来る、と言えると思います。

●バーでクレジットカードは使っても良い?

クレジットカードの支払いに対応しているお店であれば、もちろんクレジットカードを使って問題ありません。

お客様によっては
「カードは店側の手数料かかるから、やっぱり現金の方が良い?」
と気を使ってくださる方がいらっしゃいますが、確かにいくらか手数料を店側が支払っているのは事実ですが、少額ですので
「その気遣いよりも、次も是非来てください(来ていただく事に比べたら手数料は無いに等しい)」
というのが本音です。

その手数料が勿体ない・・・というぐらいであれば、お店はクレジットカードには対応させていないと思います。

また、当店もそうですが、外からはクレジットカードの支払いに対応しているような、シールや案内を出していないけど実は対応しているところも多く、カードに対応しているか外からは分かりにくいバーが多くあります。
クレジットカードが使えるか知りたい時は、素直に
「クレジットカード使えますか」
と聞いてもらえればと思います。

最後に

今回はバーのお会計について書かせていただきました。

なんら難しい事は無いのですが、バーに行き慣れていない方にとっては迷うポイントでもあると思います。

会計というのは、ただお金を支払うだけ、ではありますが、お店はお客様に対して、お客様は一緒に飲んだ人に対して、そしてお店に対して、色んな思いが混じる瞬間でもあります。

細かなマナーや言い方がどうというのは実は大した問題ではなく、その瞬間ををそれぞれがいかに感じ表現するか、それがバーで過ごす時間の意義に繋がるのだと信じて、私も日々全力でお会計をさせていただいています。

【初めてのバー】ウイスキーの飲み方9パターンをご紹介

普段ウイスキーを飲まないのに、バーで思い切ってウイスキーを頼んでみたら
「飲み方はどうされますか」
と聞かれてドキッとされた経験は無いでしょうか。

聞いたことあるのは、ロックとハイボールぐらいしかないから、結局そのどちらかでしか頼んでいない・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ウイスキーは奥が深く、飲み方が変われば楽しみ方もかわってくる不思議な飲み物です。

今日は、ウイスキーの飲み方をご紹介します。
この記事を読んでいただければ、ウイスキーの代表的な飲み方がわかり、次からバーで注文する時が楽しくなると思います。

ロック(オン・ザ・ロック)

バーでウイスキーを飲むといったらこの飲み方を想像する方が多いのではないでしょうか。

グラスに氷を入れ後はウイスキーを注ぐだけ。
氷をカチワリ氷で使っていることが多く、この氷の形が、ロック(岩)のように見える事からこう呼ばれるようになったと言われています。

●ロックの特徴

水やソーダで薄めたくはないけど、冷やして飲みたいという方にぴったりの飲み方です。
氷だけなので、最初はほぼストレートの近い状態でありながら、冷えている事で飲みやすくなります。

時間とともに氷が溶けて加水されていきますが、ウイスキーは加水されればまた味や香りが変化するため、この変化をあえて楽しむことの出来る飲み方です。

●丸氷を使ったロックの特徴

当店、お初天神 バー・ザ・メモリーもそうですが、丸氷を使ってロックを提供するお店もあります。

丸氷の特徴は、カチワリ氷に比べて溶けにくい点にあります。
氷というのは角から溶けていきますが、丸氷は角が無いため溶けにくいわけです。

溶けにくいというのはメリットのように聞こえますが、上記のように氷が溶ける事での加水による変化を楽しむという点では、丸氷はその変化が緩やかなので、カチワリ氷と丸氷のどちらが良いかというと、最後は好みの問題となります。

ストレート

氷も水もソーダも入れず、ボトルから注いだウイスキーそのままで飲む飲み方です。

ウイスキーがお好きな方は
「ウイスキーを味わうならストレートじゃないと」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。

当然度数も高いままで、味も香りもそのままとなります。
が、当然アルコールの風味も非常に強いため、逆に味や香りがわかりにくい、という方もいらっしゃいます。

ストレートで飲む場合は、交互にチェイサーを飲みながら少しずつ飲まれる事をおすすめします。

ハイボール・ソーダ割り

グラスに氷を入れウイスキーを注ぎ、最後にソーダで割ります。
日本では、ハイボール=ウイスキーソーダ割りとなります。

焼酎(最近はウォッカ)のソーダ割りを、焼酎ハイボール(チューハイ)と呼ぶように、広義的には、ウイスキーに限らず、スピリッツやリキュールをソーダで割ったものをハイボールと呼ぶこともあります。

●ハイボール・ソーダ割りの特徴

ソーダで割ることの特徴は、炭酸により香りが非常にたちやすい飲み方であるという事です。
したがって、香りが良いとされるウイスキー(マッカランなど)ではお勧めの飲み方です。

ウイスキーをソーダで割ることを「そんなの勿体ない!」とおっしゃられる方もいらっしゃいますが、個人的には、ウイスキーの味・香りを楽しむにあたって、ストレートやロックとは違う味や香りが楽しめ、非常に意味のある飲み方の一つだと思っています。

また、ストレートやロックはウイスキー自体がどうしても口の中で強く残りますが、ソーダで割るとすっきりと飲めるため、料理を食べながら飲むにはぴったりと言えます。

●ハイボールとソーダ割り、どっちで呼んだらよい?

ハイボールとソーダ割どっちで呼ぶべきか、結論から言うと、どっちでも良いです(笑)

たまに
「ハイボールは居酒屋さんの安いやつだ!バーで良いウイスキーを飲むなら、ソーダ割りと言うべきだ!」
とおっしゃられる方もおられたり
「ハイボールで、あ、いやソーダ割で」
と丁寧に言い直される方もいらっしゃいますが、
カウンターに立っているバーテンダーとしては、本当にどっちでも良いのです。

ハイボールと注文されたからって「この人わかってないな」なんて、まず思いませんし、私も含めて、プロのバーテンダーでも普通に”ハイボール”で注文しています。
なにより、どっちで呼んでも味は変わらないですから(笑)

トワイスアップ

グラスにウイスキーと等量の水を加水する飲み方です。

これまでにも書きましたが、ウイスキーは加水することで、より味や香りが芳醇になる事が多く、その特徴を活かした飲み方となります。

多くのウイスキー蒸留所のブレンダーも、テイスティング時はストレートではなくトワイスアップで飲んでいることが多いようです。

当店でも、ロックやソーダ割りに比べるとあまり頼まれることは無いですが、たまに
「トワイスアップで」と頼まれると
「お、この人、通な人かも」と思ってしまいます(笑)

水割り

グラスに氷を入れ、ウイスキーと水を注いだ飲み方となります。
ウイスキーと水の割合は、1:2.5~3程度。

厳密には、上記のトワイスアップも水割りではありますが、日本では水割りと言うと、こちらの氷を入れた状態を指すことが一般的です。

ロックやストレートはちょっと強すぎる、そして炭酸は苦手、という方にはぴったりの飲み方で、飲みやすてウイスキーの個性が素直に感じる事の出来る飲み方となります。

ハーフロック

これも水割りの一種ですが、
水の割合は、ウイスキーと1:1つまり等量となります。

トワイスアップの氷つきとも言えます。

ロックはちょっと強いけど、水割りほど薄めなくて良い、という方が飲まれます。

ハーフソーダ(ハーフロックソーダ)

ソーダ割りの1種ですが、ウイスキーとソーダの割合が1:1となります。
ハーフロックの水がソーダになったパターンとも言えます。

一般的なソーダ割りでは少し薄く感じてしまうが、炭酸でウイスキーの味や香りの開きを楽しみたい方は、この飲み方をされます。

ホット(お湯割り)

名前の通り、ウイスキーをお湯で割ります。

冬にぴったりで、また冷えた水やソーダとも違う、お湯だからこその香り・味の鼻や口の中での広がりがあり、同じウイスキーでもお湯で割ることで新しい発見があります。

ミスト(クラッシュド・アイス)

広義にはロックの1種で、氷を専用にクラッシャーで砕いた氷を使います。
しゃりしゃりとして、夏場にピッタリです。

通常のロックよりも氷が溶けるのは早く、その分飲みやすくなります。

最後に

ここまでウイスキーの主な飲み方9パターンをご紹介しました。

これだけの飲み方がずっとあるということは、それぞれに良いところがあり、それぞれ愛されて飲まれ続けているという事でもあります。

個人的な思いとしては、この飲み方でないとダメ!他は邪道!なんてものは無く、固定観念にとらわれず、色々な飲み方に挑戦していただきたいと思っています。

お好きなウイスキーがある方は、普段飲まない飲み方をしてみることで、新たな一面を発見でき、よりお酒探しが楽しくなると思いますので、是非お試しください!

【初めてのバー】メニューが無い時やお酒がわからない時の注文方法3パターン

ドキドキしながらバーに入って、いざ注文!と思ったら、お店にメニューが無い・・・なんて事は経験無いでしょうか。
小規模なバーではメニューを置いていないお店が多くあります。

また、メニューがあっても中を見てもお酒に詳しくなくてさっぱり・・・というお客様もよくお見掛けします。

お酒に詳しかったり好きなものがはっきりしていれば、バックバーをみながらありそうな銘柄を注文したり、好きなカクテルを伝えたりできますが、初めてのバーやバー初心者さんではどうしたら良いか困りますよね。

そんな時どう注文すればよいのでしょうか。

「おすすめをください」は、NG

当店、お初天神 バー・ザ・メモリーではメニューをご用意していますが、やはりメニューを見てもよくわからない!というお客様は多くいらっしゃいます。

そんな時によく言われることが
「おすすめをください」
といったご注文です。

お店によっては、ウチに来たらこれを飲め!と謳っているところもありますが、多くのお店は、おすすめできない物は店に置かないしメニューにも書かない!となります。
(もちろんそんな言い方しないですけどね(笑))

●お酒探しはお客様とバーテンダーの共同作業

結局のところ『おいしいお酒』というのは主観でしか無く、バーテンダーとしてはその方にとって出来る限り美味しいと思っていただけるものを提供したいと考えます。

そのためには、単に「おすすめを」ではなく、お客様の情報が必要になってくるのです。

過去の好きだったものを伝える

もし、過去に飲んだお酒で好みのものがあって、その名前を憶えているのであれば、それを言っていただくのが最も近道です。

「前にグレンフィディックを飲んで美味しかったけど、他で近いの無い?」
みたいな具合で大丈夫です。

お酒の銘柄やカクテルの名称は、どんな味か非常にわかりやすい情報なので、バーテンダーは提供できる範囲で近いものをお出しすることが出来ます。

好みの味を伝える

はっきりとお酒の名前までは出てこない(知らない)場合は、言葉で好みを伝えましょう。
お酒によってポイントが異なりますが、ウイスキーとカクテルの場合では以下のようになります。

ポイントは、いずれもあまり細かくは指定しない方が良い事です。
細かくなればなるほど提案できる幅が狭まり、組み合わせによっては実現が難しくバーテンダーが困る事があります(笑)
あくまで自分にとって優先したい部分のみ伝えて、あとはバーテンダーにまかせてみると良いでしょう。

●ウイスキーの好みを伝えるためのパターン

細かく言い出すとキリが無いのですが、ざっくりと以下の中でどれが飲みたいものに近いか伝えてみましょう。

ウイスキーの味・香りのパターン例(どれか一つ)

  • すっきりと飲みやすいもの
  • スモーキーなもの
  • ヨードの味、香りがするもの
  • フルーティ、甘さがあるもの

詳しい方に言わせると、ウイスキーのカテゴライズとして上記の味や香りのパターンは不十分で正しくないと言われると思いますが、厳密に区別するよりは、最初はこのくらいにざっくりとしたニュアンスの方が幅が広がりバーテンダー側としても提案がしやすくなります。

●カクテルの好みを伝えるためのパターン

カクテルの場合は、味のパターン、炭酸の有無、アルコール度数、好きな色などから組み合わせてみると良いと思います。

味のパターン例(どれか一つ)

  • 柑橘系
  • 辛口
  • 甘口
  • フルーティ
  • 他オレンジジュースを使って。GET(ミントリキュール)を使って。など

といった具体に好きな味を素直に伝えましょう。
複数合わたような、柑橘系で辛口といったことも出来るのですが、最初からあまり絞らずあくまで優先度の高い味をひとつ伝えていただいた方が良いと思います。

炭酸の有無(どれか一つ)

  • 炭酸有り
  • 炭酸無し

アルコール度数の例(どれか一つ)

好きな色の例(どれか一つ)

  • ピンク
  • どすぐろい系

4つ書いていますが全てを言う必要はありません。
例えば「柑橘系でアルコール度数は低めで」といった具合に注文いただければOKです。
ちなみに、色を指定すると使用する材料がある程度決まってくるため、味の融通は利かなくなります(笑)

メニューを指しての内容を聞く

メニューがある場合は、素直に
「これはどんな味ですが」
「なにが入ってますか」
と聞いて、合いそうなものを頼んでいただくのももちろんOKです。

バーに来ると、知らないと思われたくない、聞くのが恥ずかしい、といった感じになるかもしれませんが、お店側からすると、メニューをお出ししても、お客様にとってはよくわからないのが普通だと思ってメニュー出してますんで(笑)

逆に、よくわからずなんとなく頼まれて、結果、口に合わずほぼ飲まれず残されてしまう事の方が遥かに残念な気持ちになってしまいます。

2杯目からはさらに近づける情報を伝える

ここまでは1杯目の伝え方としてご紹介しましたが、バーテンダーも頂いた情報から出来る限り全力でご提供しますが、1杯目でベストに行きあたるとは限りません。

そんなときは、
「1杯目の味はそのままで、もうちょっと辛口なのが好き」
といった具合に、もう一歩近づける情報をいただけることで、少しずつお好み近づいていくことができます。(と信じています(笑))

注文にあたって予算を言っても良い

メニューから頼む場合はメニューに値段が記載されている事がほとんどですが、バーテンダーにまかせる場合、値段がいくらぐらいのものが出てくるかわからず不安になることもあると思います。
お酒もピンからキリまで幅広いため、恐ろしい値段になっても怖いですよね。
(実際には、いきなり極端に高いものを出す事は基本無いですが・・・)

そんなときは遠慮なく、予算も一緒に伝えてもらって大丈夫です。
「1,000円ぐらいまでのウイスキーで」とか
「今日は、3,000円ぐらいで、3杯飲もうと思っています」
といった感じで、ご予算を言ってもらえればその範囲でご提供します。

お金の話はしないほうがいいんじゃないか、と思われるかもしれませんが、
カクテルについてはそうそう価格差はありませんが、ウイスキーなどは本当に幅広いため、実はバーテンダーも、どの価格帯でおすすめしようか、お客様のご予算はどのくらいか考えながら選んでいます。
なので、遠慮なくご予算を言っていただいた方が安心してご提案できるのが本音です。

最後に

好みのお酒に出会うためには、お客様から伝えていただく力とバーテンダーの提案する力を合わせた共同作業であり、バー遊びの一つとも言えます。

ここまで長く書きましたが、真剣になる必要は全く無くあまり力まず、なにか好みを伝えてみて、それに対してバーテンダーが何を出してくるのか、あーだこーだ言いながら新しいお酒の出会いを楽しんでいただければと思います。

【カクテル入門】カクテル作りに使われる用語集

本ブログでも色々なカクテルのレシピをご紹介していますが、その中にも専門用語が多く登場します。
カクテルを勉強し始めた方などはわからない用語もあると思います。
この記事では、カクテル作りに出てくる用語をまとめてご紹介いたします。

目次

製法

製法については別記事に詳しく書いていますのでそちらもご参照ください⇒【カクテルの製法】ビルド・ステア・シェイクとは?代表的な4つの製法の特徴や作り方を解説

シェイク

シェイカーと呼ばれる金属の入れ物に材料をいれ振ることで材料を冷やしたり混ぜたりする。
空気を含ませることでアルコールの角がとれまろやかになる。

ステア

ステアには製法としてと技法として二つの意味を持つ。

・製法としてのステア

ミキシンググラスと呼ばれる専用のグラス内に材料と氷を入れ材料を冷やし混ぜる。

・技法としてのステア

バースプーンを利用して混ぜる事。
「ステアする(=バースプーンで混ぜる)」といった使い方をする。

ビルド

提供するグラス内に直接材料や氷を入れ混ぜる(ステアする)

ビルド&シェイク

ビルドとシェイクを組み合わせた製法。
例えば、混ざりにくい材料と混ざりやすい材料を使う場合に、混ざりにくい材料は先にシェイクをしてグラスに入れ、そのあとに混ざりやすい材料をグラスにいれステアをする。

道具・グラス

バースプーン

先端が、片方はスプーン、片方はフォークになっている道具、
主に材料を混ぜたり(=ステア)、果物をなどを指してグラスに絞り入れるときなどに使用。

カクテルグラス

すり鉢状の飲み口に足が付いたグラス。
容量が少ない代わりに度数の強いカクテルに多く使われる。
(例)マティーニコスモポリタン
カクテルグラスを使用したカクテルを、小さいことからショートカクテルとも呼ばれる。

ロンググラス(ゾンビグラス、コリンズグラス)

縦長の筒状のグラス。
スピリッツやリキュールを、ジュースや炭酸で割ることが多く、比較的アルコール度数は低い。

ロックグラス

お酒に氷だけを入れる飲み方をロックと言い、そのためのグラス、
大きなロック用の氷が入るように、飲み口が広くなっている。

ミキシンググラス

製法においてのステアを行うための専用グラス。
ストレイナーと呼ばれる蓋があり、これを被せて水を切るなどができる

カクテルピン

チェリーや果物の飾りづけの際に、指すピン。

材料

スピリッツ

蒸留酒全般の総称。
カクテル作りには、「ウォッカ」「ジン」「テキーラ」「ラム」の4大スピリッツが良く使われる。

リキュール

スピリッツに別のスピリッツや醸造酒、砂糖やハーブなどを混ぜた混合酒。

ジュース

果汁を指す。
フレッシュジュースと言うと、果物がからそのまま絞った果汁を言うが、単にジュースと言う場合は、通常のスーパーなどに売っている果汁100%のジュースを指す場合も、フレッシュジュースを指す場合もある。
カクテル作りにおいても、どちらを使うかは好みや手に入りやすさで選んで良い。

単位

tsp(ティースプーン、ティー・エス・ピー)

バースプーンのスプーン側の分量。
1tspはスプーン一杯分、5mlに相当する。

drop(ドロップ)

ビターズボトルから落とす1滴分。0.2ml程度に相当。

dash(ダッシュ)

1dashはぶたーずボトル一振り分。1mlに相当。

oz(オンス)

主にグラスに使われる単位、
1オンスは、30mlに相当。

フルアップ(FULLUP)

炭酸やジュースで割る際に使用。
先にそれ以外の材料の入ったグラスに対して、最後残りをグラスに満たす程度まで注ぐ事