【バーのマスターによる】おいしいハイボールの作り方。たった2つのポイント。

こんにちは。
お初天神 バー・ザ・メモリー、マスターの銭谷です。

最近はハイボールを家で自分で作って飲まれる方も多いようで、お客様から、家でもハイボールを作るけど同じウイスキーの銘柄なのに、お店で飲むのと違う、といわれる事がよくあります。

お店ではお金をいただく以上、重箱の隅をつつくレベルであれこれこだわっていますが、基本的に気を付けるべきポイントはシンプルで、家でも十分に美味しく作る事が出来ます。

美味しいハイボール作りのポイントは2つ

  • 冷やせるものは出来るだけ先に冷やす
  • 出来る限り炭酸が抜けないようにする

このたった2つのポイントを意識するだけで、おいしいハイボールが作れます。

ということで、今回は家でも出来るおいしいハイボール作りを紹介いたします。

①グラスを冷やす

まずグラスに氷を入れます。
氷だけをいれた状態で、バースプーン(なければ、マドラーでもお箸でもOK)で、ぐるぐると氷をかき混ぜグラスを冷やします。

目安は、グラスがうっすら白く曇ってきたら大丈夫です。

この時点で、氷が溶けて水がグラスの底に溜まっているようなら、いったんこの水をしっかり切ります。

②ウイスキーを注ぐ

次に、ウイスキーを注ぎます。
分量はお好みですが、一般的にはウイスキーとソーダの割合は、1:2.5~3ぐらいが目安となります。

ウイスキーを注ぐ時のポイントは、氷の霜を取るように氷にあてながらウイスキーを注ぎます。
氷の霜は、このあとソーダを入れる際にソーダと触れることで炭酸の抜ける要因となるので、ウイスキーを氷にあてることで、その要因となる霜を出来るだけ取っておきます。

③ウイスキーを冷やす

グラスに氷とウイスキーが入った状態で、再度氷をぐるぐるとかき混ぜ、ウイスキーを冷やします。
回す回数は10回転ぐらいを目安にしてください。

④ソーダをゆっくり注ぐ

ソーダは事前に冷蔵庫で冷やしておいてください。

ソーダを注ぐ際は、バースプーン(なければ普通のスプーン)の腹の部分を使い、ソーダを少しずつスプーンの腹にあてながら注ぎます。

理由は2点

  • ソーダを注ぐ時のショックをやわらげ出来るだけ炭酸が抜けないようにする事
  • 氷(の霜)に炭酸をあてないように(抜けないように)する事

⑤最後は混ぜなくてよい

ソーダでグラスを満たせば、最後はバースプーンやマドラーなどでグラスの底まで突っ込み1,2回ゆっくり上げ下げして完成です。

アルコールは炭酸よりも比重が軽く、また炭酸の泡によって、特に混ぜなくても勝手に混ざります。
なので、あえて混ぜるような事をしても炭酸が抜けるだけで、あまり意味はありません。

最後に

当店でも実践しているハイボールの作り方をご紹介しました。

ハイボールの作り方は千差万別、色々な考えの元、色々な作り方があります。
ここで紹介したのは、その多くある作り方の中の、あくまで当店お初天神 バー・ザ・メモリーとしての考えの上でお作りしているレシピとなります。

ハイボールはシンプルなようで奥が深い飲み物です。
ウイスキーの銘柄をどうするか、ソーダは弱炭酸か強炭酸か、などでも大きくかわってきます。
この辺は好みに左右されるところなので、あえて今回は説明しませんでした。

お店によって、作り方の違いなどを見て、またその違いがなぜあるのか、飲むときにはどう影響するのか、そんなことを考えてバーで飲んだり、家であれこれ試しながら作ってみると、より一層ハイボールを楽しむことができます。

是非、自分にとってのおいしいハイボール作りにチャレンジしてみてください!

【初めてのバー】ウイスキーの飲み方9パターンをご紹介

普段ウイスキーを飲まないのに、バーで思い切ってウイスキーを頼んでみたら
「飲み方はどうされますか」
と聞かれてドキッとされた経験は無いでしょうか。

聞いたことあるのは、ロックとハイボールぐらいしかないから、結局そのどちらかでしか頼んでいない・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ウイスキーは奥が深く、飲み方が変われば楽しみ方もかわってくる不思議な飲み物です。

今日は、ウイスキーの飲み方をご紹介します。
この記事を読んでいただければ、ウイスキーの代表的な飲み方がわかり、次からバーで注文する時が楽しくなると思います。

ロック(オン・ザ・ロック)

バーでウイスキーを飲むといったらこの飲み方を想像する方が多いのではないでしょうか。

グラスに氷を入れ後はウイスキーを注ぐだけ。
氷をカチワリ氷で使っていることが多く、この氷の形が、ロック(岩)のように見える事からこう呼ばれるようになったと言われています。

●ロックの特徴

水やソーダで薄めたくはないけど、冷やして飲みたいという方にぴったりの飲み方です。
氷だけなので、最初はほぼストレートの近い状態でありながら、冷えている事で飲みやすくなります。

時間とともに氷が溶けて加水されていきますが、ウイスキーは加水されればまた味や香りが変化するため、この変化をあえて楽しむことの出来る飲み方です。

●丸氷を使ったロックの特徴

当店、お初天神 バー・ザ・メモリーもそうですが、丸氷を使ってロックを提供するお店もあります。

丸氷の特徴は、カチワリ氷に比べて溶けにくい点にあります。
氷というのは角から溶けていきますが、丸氷は角が無いため溶けにくいわけです。

溶けにくいというのはメリットのように聞こえますが、上記のように氷が溶ける事での加水による変化を楽しむという点では、丸氷はその変化が緩やかなので、カチワリ氷と丸氷のどちらが良いかというと、最後は好みの問題となります。

ストレート

氷も水もソーダも入れず、ボトルから注いだウイスキーそのままで飲む飲み方です。

ウイスキーがお好きな方は
「ウイスキーを味わうならストレートじゃないと」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。

当然度数も高いままで、味も香りもそのままとなります。
が、当然アルコールの風味も非常に強いため、逆に味や香りがわかりにくい、という方もいらっしゃいます。

ストレートで飲む場合は、交互にチェイサーを飲みながら少しずつ飲まれる事をおすすめします。

ハイボール・ソーダ割り

グラスに氷を入れウイスキーを注ぎ、最後にソーダで割ります。
日本では、ハイボール=ウイスキーソーダ割りとなります。

焼酎(最近はウォッカ)のソーダ割りを、焼酎ハイボール(チューハイ)と呼ぶように、広義的には、ウイスキーに限らず、スピリッツやリキュールをソーダで割ったものをハイボールと呼ぶこともあります。

●ハイボール・ソーダ割りの特徴

ソーダで割ることの特徴は、炭酸により香りが非常にたちやすい飲み方であるという事です。
したがって、香りが良いとされるウイスキー(マッカランなど)ではお勧めの飲み方です。

ウイスキーをソーダで割ることを「そんなの勿体ない!」とおっしゃられる方もいらっしゃいますが、個人的には、ウイスキーの味・香りを楽しむにあたって、ストレートやロックとは違う味や香りが楽しめ、非常に意味のある飲み方の一つだと思っています。

また、ストレートやロックはウイスキー自体がどうしても口の中で強く残りますが、ソーダで割るとすっきりと飲めるため、料理を食べながら飲むにはぴったりと言えます。

●ハイボールとソーダ割り、どっちで呼んだらよい?

ハイボールとソーダ割どっちで呼ぶべきか、結論から言うと、どっちでも良いです(笑)

たまに
「ハイボールは居酒屋さんの安いやつだ!バーで良いウイスキーを飲むなら、ソーダ割りと言うべきだ!」
とおっしゃられる方もおられたり
「ハイボールで、あ、いやソーダ割で」
と丁寧に言い直される方もいらっしゃいますが、
カウンターに立っているバーテンダーとしては、本当にどっちでも良いのです。

ハイボールと注文されたからって「この人わかってないな」なんて、まず思いませんし、私も含めて、プロのバーテンダーでも普通に”ハイボール”で注文しています。
なにより、どっちで呼んでも味は変わらないですから(笑)

トワイスアップ

グラスにウイスキーと等量の水を加水する飲み方です。

これまでにも書きましたが、ウイスキーは加水することで、より味や香りが芳醇になる事が多く、その特徴を活かした飲み方となります。

多くのウイスキー蒸留所のブレンダーも、テイスティング時はストレートではなくトワイスアップで飲んでいることが多いようです。

当店でも、ロックやソーダ割りに比べるとあまり頼まれることは無いですが、たまに
「トワイスアップで」と頼まれると
「お、この人、通な人かも」と思ってしまいます(笑)

水割り

グラスに氷を入れ、ウイスキーと水を注いだ飲み方となります。
ウイスキーと水の割合は、1:2.5~3程度。

厳密には、上記のトワイスアップも水割りではありますが、日本では水割りと言うと、こちらの氷を入れた状態を指すことが一般的です。

ロックやストレートはちょっと強すぎる、そして炭酸は苦手、という方にはぴったりの飲み方で、飲みやすてウイスキーの個性が素直に感じる事の出来る飲み方となります。

ハーフロック

これも水割りの一種ですが、
水の割合は、ウイスキーと1:1つまり等量となります。

トワイスアップの氷つきとも言えます。

ロックはちょっと強いけど、水割りほど薄めなくて良い、という方が飲まれます。

ハーフソーダ(ハーフロックソーダ)

ソーダ割りの1種ですが、ウイスキーとソーダの割合が1:1となります。
ハーフロックの水がソーダになったパターンとも言えます。

一般的なソーダ割りでは少し薄く感じてしまうが、炭酸でウイスキーの味や香りの開きを楽しみたい方は、この飲み方をされます。

ホット(お湯割り)

名前の通り、ウイスキーをお湯で割ります。

冬にぴったりで、また冷えた水やソーダとも違う、お湯だからこその香り・味の鼻や口の中での広がりがあり、同じウイスキーでもお湯で割ることで新しい発見があります。

ミスト(クラッシュド・アイス)

広義にはロックの1種で、氷を専用にクラッシャーで砕いた氷を使います。
しゃりしゃりとして、夏場にピッタリです。

通常のロックよりも氷が溶けるのは早く、その分飲みやすくなります。

最後に

ここまでウイスキーの主な飲み方9パターンをご紹介しました。

これだけの飲み方がずっとあるということは、それぞれに良いところがあり、それぞれ愛されて飲まれ続けているという事でもあります。

個人的な思いとしては、この飲み方でないとダメ!他は邪道!なんてものは無く、固定観念にとらわれず、色々な飲み方に挑戦していただきたいと思っています。

お好きなウイスキーがある方は、普段飲まない飲み方をしてみることで、新たな一面を発見でき、よりお酒探しが楽しくなると思いますので、是非お試しください!