
ウイスキーは世界中で作られていますが、中でも主要な生産地5か所で作られているウイスキーを総称して5大ウイスキーと呼ばれます。
5大ウイスキーとは
- アイリッシュウイスキー(アイルランド)
- スコッチウイスキー(スコットランド)
- アメリカンウイスキー(アメリカ合衆国)
- カナディアンウイスキー(カナダ)
- ジャパニーズウイスキー(日本)
この5つを指します。
今回はこの5大ウイスキーそれぞれの特徴をご紹介します。
アイリッシュウイスキー
アイリッシュウイスキーとは、アイルランドで生産されたウイスキーです。
特徴はポットスチルウイスキーと呼ばれる、発芽した大麦麦芽と未発芽の大麦を混ぜてつくられるウイスキーを使用します。
風味は、ポットスチルウイスキー独特のオイリーさがありながら、3回蒸留(一部を除く)を行うことで雑味が少なく、すっきりとどんどん飲めてしまいます。
アイリッシュウイスキーの歴史は古く、5世紀から6世紀ごろに始まったと言われています。
19世紀ごろまでには世界で最も飲まれているウイスキーとして広がりましたが、その後主要な輸出国であるアメリカ合衆国で禁酒法が施行されたことをきっかけに、消費量は激減していきました。
しかし、現在も一時期ほどではありませんが、人気も回復しつつあり世界中で愛好者が多くいるウイスキーとなります。
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スコッチウイスキー
スコッチウイスキーは、スコットランドで生産されているウイスキーです。
スコッチウイスキーは、大きく2種類に分けることができます。
・シングルモルトウイスキー
消毒液のような風味から、フルーティだったり甘味があったりと一つの蒸留所のモルトウイスキーのみを使うことで、蒸留所ごとの個性が幅広く強く出やすいウイスキー。
・ブレンデッドウイスキー
複数の蒸留所で作られた、モルトウイスキーと、大麦以外の穀物を使ったグレーンウイスキーをブレンドし、すっきりと飲みやすいウイスキー。
ウイスキー好きの多くは個性の強いシングルモルトウイスキーを好む傾向がありますが、現在のようにスコッチウイスキーが世界的に広がったのは、安くて飲みやすいブレンデッドウイスキーが発明されたことが大きく影響しています。
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アメリカンウイスキー
アメリカンウイスキーとはアメリカ合衆国で生産されているウイスキーです。
アメリカンウイスキーの中でも、バーボンウイスキーが有名で18世紀後半、ケンタッキー州の牧師がウイスキー作りを始め、これがバーボンウイスキーの始まりでありアメリカンウイスキーの始まりとも言えます。
特徴は、主要な原料にトウモロコシを使い、新品のオーク樽の内側を焦がした樽で熟成させることです。
風味は力強く焦がし樽の独特のスモーキーさを感じさせます。
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カナディアンウイスキー
カナディアンウイスキーはカナダで生産されているウイスキーです。
18世紀ごろ、農家が自分たちが作った穀物でウイスキー作りを始めたのが、カナディアンウイスキーの始まりとなります。
1920年、アメリカ合衆国で禁酒法が施工されると、それまでアメリカ国内で飲まれていた、アメリカンウイスキーやアイリッシュウイスキーが飲めなくなった代わりに、カナディアンウイスキーが大量に密輸され飲まれるようになったことで、いっきに広まりました。
風味はマイルドで飲みやすく、アルコールの角があまり無いため、クセの強いウイスキーが苦手な方にとって飲みやすいウイスキーとなっています。
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ジャパニーズウイスキー
ジャパニーズウイスキーは、5大ウイスキーの中では最も歴史が浅いながらも、急激に日本国内だけでなく世界中で需要が増加し原酒不足となり、現在多くの銘柄で休売や終売が発表されています。
純国産のジャパニーズウイスキーは、1929年に寿屋(現在のサントリー)の山崎蒸留所で作られ販売された『白札』から始まりました。
寿屋は、スコットランドでウイスキー作りを学んだ、竹鶴政孝氏を招き、山崎蒸留所を建設、白札以降多くのウイスキーを生産しています。
竹鶴氏は、その後、寿屋を退職し自らニッカウヰスキーを立ち上げ、自分の理想とするウイスキー作りを目指しました。
サントリー・ニッカウヰスキー両社のウイスキーとも、2000年に入ったころから、世界的な賞を毎年のように受賞し人気が高まりました。
蒸留所や銘柄ごとに風味の特徴は幅広くさまざまですが、いずれも日本人に合う事を前提として作られています。
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