【ウイスキーのお話し】バーボンとは。スコッチやウイスキーとは違うのか。

お客様からの質問などで、たまに
「バーボンとスコッチってウイスキーなの?違いはあるの?」
「バーボンとウイスキーって何が違うの?」
と聞かれる事があります。

言葉では『バーボン』と聞いたことがあっても詳しくはご存じない方も多いのではないかと思います。

今回はそんな『バーボン』についてのお話です。
後半には、バーボンを試したいけど何から飲めば良いかわからない、といった方向けに、おすすめのバーボンウイスキーもご紹介します。

バーボンとは

『バーボン』は正確には『バーボンウイスキー』と言い、名前の通りウイスキーの一種です。

バーボンとウイスキーを別物と認識されている方がいらっしゃいますが、あくまでウイスキーであり、その中のバーボンウイスキーという種類になります。

●ウイスキーとは

ウイスキーとは穀物(大麦、ライ麦、トウモロコシなど)を糖化・アルコール発酵させ、蒸留した飲料をウイスキーと呼びます。

細かな定義は国によって異なりますが、一般的には上記のように穀物の蒸留酒で樽で数年以上熟成させたものとなります。

蒸留酒については別記事で解説しています⇒醸造酒と蒸留酒の違いとは

●バーボンウイスキーの定義

バーボンウイスキーはアメリカ法律で定められており、主な内容は以下となります。

  • 製造はアメリカ合衆国のみ
  • 原料の51%以上がトウモロコシ
  • 熟成には内側を焦がした新品のオーク樽を使用
  • 瓶詰された状態でのアルコール度数が40%以上

細かくは他にも定められていますが、上記の通り、アメリカで作られた主原料がトウモロコシで新品の内側を焦がした樽で熟成されたウイスキーがバーボンとなるわけです。

逆にこれらを一つでも当てはまらないものがあればバーボンウイスキーとは呼べません。

●バーボンウイスキーの歴史

エライジャ・クレイグ スモールバッチ

バーボンウイスキーは、1789年、アメリカ合衆国のケンタッキー州の牧師、エライジャ・クレイグ氏によって作られました。

クレイグ氏は牧師として活動する一方、ウイスキーも作っていましたが、ある時たまたま樽の内側を焦がしたものを熟成に使った事からバーボンウイスキーが始まりました。

この製法が広がり、後に、クレイグ氏は『バーボンの父』と呼ばれるようになりました。

●バーボンの由来

バーボンの由来は、フランスのブルボン朝が由来となっています。

アメリカ独立戦争の際、フランスはアメリカ側に付いたことから、アメリカがフランスへの感謝の気持ちを込めてケンタッキー州のとある郡を【バーボン郡】と名付けました。

この地で、エライジャ・クレイグ氏がウイスキーを作り広まったことから、このウイスキーを「バーボン・ウイスキー」と呼ぶようになりました。

このような歴史的背景もありバーボンウイスキーと言えば、ケンタッキー州のイメージが強いですが、上記のアメリカの法律の通り、ケンタッキー州に限らず、アメリカ合衆国内で製造されていれば、バーボンウイスキーと呼ぶことが出来ます。

●バーボンウイスキーの種類

バーボンウイスキー熟成期間や製造場所ブレンド内容によって以下のような呼び方があります。

  • シングルバレル・バーボン・・・一つの樽からのみで瓶詰されたウイスキー
  • スモールバッチ・バーボン・・・数種類~10種程度の少量の樽からブレンドしたものを瓶詰したウイスキー
  • ストレート・バーボン・・・2年以上熟成させたバーボンウイスキー
  • ケンタッキー・ストレート・バーボン・・・ケンタッキー州で製造されたバーボンウイスキー

バーボンとスコッチの違い

バーボンウイスキーと並んで有名なウイスキーと言えば、5大ウイスキーのひとつであるスコッチウイスキーがありますが、バーボンウイスキーとは以下のような違いがあります。

●製造場所が違う

バーボンウイスキーはアメリカとなりますが、スコッチウイスキーはスコットランドで糖化・発酵・蒸留・熟成したウイスキーを指します。

●ウイスキーの綴りが違う

バーボンはWhiskey、スコッチはWhiskyと表記される。

これは、元々アイルランドで作られていたアイリッシュウイスキーは綴りをWhiskeyとしており、アイルランド系の移民がアメリカにわたりウイスキー作りを始めたため、アイルランドと同じ表記となっています。

●原料が違う

バーボンは、51%以上がトウモロコシである必要がありますが、スコッチの主原料は大麦(モルト)となります。

●熟成樽の違い

熟成に使われる樽が、バーボンは新品の内側を焦がした樽を使用しますが、スコッチはシェリー酒やワイン、バーボンウイスキーの熟成で使用した中古の樽を使って熟成をします。

これにより、どのような樽を使うかが、スコッチの個性の一つともなってきます。

●熟成期間の違い

バーボンは、熟成年数については特に定義されていません。
スコッチは3年以上の熟成をする必要があります。

一般的には、バーボンは数年程度、スコッチは10年以上熟成させているものが多くなります。

おすすめのバーボンウイスキー

最後にバーボンウイスキーをあまりご存じない方におすすめする、バーボンウイスキーを4つご紹介します。

●I.W.ハーパー ゴールドメダル

バーボン初心者にお勧めです。
ケンタッキー州のヘブンヒル蒸留所のウイスキー。
トウモロコシの使用比率が、86%と高くトモウロコシの甘味があり、バーボンの中では比較的飲みやすいウイスキーとなります。

●ワイルドターキー 8年

バーボンウイスキーの定番。
バーボンの中では、トウモロコシの使用比率が低く、ライ麦が多く使用されています。
ライ麦の特徴であるドライでスパイシーな刺激のある風味を持ちバーボンらしい力強さを感じる事ができるウイスキーです。

●エライジャ・クレイグ スモールバッチ

バーボンウイスキーの父エライジャ・クレイグ氏の名前がそのままつけられたウイスキー。
香ばしく、焦がした樽の香りが感じられ、まろやかな甘味が特徴で飲みやすいバーボンウイスキーです。

●ブラントン シングルバレルバーボン

バーボンが苦手という方もこれは飲める方が多く、当店では女性にも人気のバーボンウイスキー。上品で深い甘味と焦がし樽の香りが特徴。
ブラントンは必ずシングルバレル(一つの樽からのみ)作られていることが特徴で、ボトルによっても個性がありこの違い試すのも、ブラントンの楽しみ方です。

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